特定非営利活動法人

国際理解教育センター

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ERIC団体概要

 

 

 

 

What’s Next?  ERICの目指すもの &Background

国際理解教育センター(略称エリックERIC)は、国際化する市民社会にあって人類共通の課題を知り、 問題解決の意欲と技能を備えた人間形成に役立つ新しい学習・教授法を海外から紹介し、それを実践 普及するために日本で最初に設立された資料・情報センターです。1989年設立、NPO法による法人格を2000年に取得。 1974年のユネスコ総会での勧告に従って、環境、開発、異文化理解、人権、平和、未来を6つの柱に すえ、研修、テキスト開発・提供、資料室、研究の4つのサービスを通して学校教育、社会教育の指導者を主な対象 とした数々の国際理解教育推進のための活動を展開してきています。 21世紀に入り、ミッションの再定義を行い、「鍵となる方針」を決定し、より人材育成に特化してサービスを展開してきています。

 

ERICの目指す国際理解教育とは、人類共通の課題(環境、開発、人権、平和、異文化理解)に「参加して気づき、参加して未来を築く」人材育成である。

運営体制: 運営委員を置き、組織の中長期的な展望については、企画委員、運営委員、事務局員で構成される運営会議で決定する。 運営会議は一ヶ月に一回、選任された議長が召集し、事務局長は運営会議が開催されるようにこれを監督する。

運営委員は、活動の内容についての提案・提言・指導に関わる。運営委員の任期は2年間とし、次の運営委員を運営会議で決定し、任命する。(1998年度からの改善)

日々の運営については事務局長と事務局員がこれに当たる。

事務局体制 研修部、テキスト普及部、研究部の3つの部門を運営。

基金 :1000万円

 

英文名 :International Education Resource and Innovation Center

 

住所: 東京都北区東田端1-14-1 岩瀬ビルに事務局を置く。

 

平成12年(2000年)1月17日、特定非営利活動法人として認証。

 

2004年 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105 に事務所を移転。

 

2019年 東京都文京区千石4-42-2  に事務所を移転。

 

定款 PDFダウンロード

役員一覧
理事代表 角田尚子
理事   梅村松秀
理事   加藤千尋
理事   藤澤義栄
理事   牧由希子
監事   福田紀子

2020年度から二年任期で交代。

 

貸借対照表 PDFダウンロード

 

Herstory & Background

ERICの活動の歴史は女性スタッフに担われてきました。感謝です。NPO共通の課題として、多くの場合、低賃金であり、男制性中心社会の男性優位文化の中で、性暴力・性差別に苦しんだ当事者たちでもありました。 大文字の「His」が神を表し、Historyとは神に連なる物語を表現している英語とという言語の中で、Herstoryと呼ぶにふさわしいのが、ERICの歴史だと思っています。 30年におよぶ活動の中で、ERICが行ってきたのは、現在では「アクティブ・ラーニング」と呼ばれている学習者中心の「主体的で、相互的、深い学び」である「参加型学習」の教え方・学び方を教育的指導者の方々と共有していくことでした。
ERICの学びの三期とよりよい実践へのイノベーション
現在、ERICがESDファシリテーターズ・カレッジとして、ESDを指導する人々のための高等教育相当のカリキュラムとして提案している教育内容の背景には、ERIC自身が「学び続けるコミュニティ」として学んできた蓄積があります。 14回のグローバル・セミナーを通して、海外に学び、その後は海外との交流を継続しつつ、ESD、SDGなどの動きに連動して「よりよい実践」のための改善をしてきました。セミナーや研修を記録し、レッスンバンクという形で「学びあいの共同体」が活用できるリソースとして提供してきました。 ERICが1989年から積み上げてきた学びは、ERICだけの変化や成長ではなく、国際社会の共通の学びであり、そのうえに、現在のESDなどの実践が展開されていることをぜひ、ご理解いただければと思います。

 

 

第一期の学び コンセプトを中心にした国際理解教育

ERICが一番最初に翻訳出版したのが『ワールド・スタディーズ』という英国の開発教育のグループが出版したテキストでした。『ワールド・スタディーズ』は、学習者中心のアクティビティ(参加型学習)は、経験学習のアプローチを取りながら、「這いまわる経験主義」に陥ることなく、一つひとつのアクティビティを通して「世界を読み解く」力につながる「概念」を体得させようとしたものでした。
経験学習アプローチ
◆体験する
◆ふりかえる
◆学びを一般化する(普遍的な原理原則の発見)
◆応用する


『ワールド・スタディーズ』の10の基本概念
◆相互依存
◆公平さ
◆似ている点・異なる点
◆コミュニケーション
◆協力
◆力の分配
◆対立
◆原因と影響
◆社会の変化
◆価値観と信念

 

抽象的な概念

具体的な体験を抽象的な概念の学びにつなげることは、応用力につながります。アクティブ・ラーニングという参加型の方法論だけを取り入れて、「世界を読み解く」ために必要なものの見方考え方や抽象化する力、そして自分自身の「発見」した学びと、既にそこに存在する「普遍的な価値観」や「世界の見方」をつなぐことを支援しない学習は、1980年代以前に退行した教育的アプローチです。 概念を教えるアプローチは、ERICが日本事務局となっているPLT木と学ぼう(Project Learning Tree)という米国における優れた環境教育プロジェクトにも共通しています。PLTのテキストはこれらの概念に則して構成されたものです。
PLTの概念
◆多様性
◆相互依存
◆システム
◆構造とスケール
◆変化のパターン

 

ESDは、概念の習得を「共通の理念」と表現しています。これからの未来を共に築いていくための大きな指針としての理念を、学習者中心のアプローチで、体得、すなわち行動変容につながるような学びとして、提供することが教育的指導者の役割です。
ESDは理念の教育である
■ESDの主要原則
◆相互依存性
◆市民としての権利と責務citizenship and stewardship
◆未来の世代のニーズと権利
◆多様性
◆生活の質、公平equity、公正justice
◆持続可能な変革
◆行動における不確実性と予防措置
(英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA)1998)

 

■持続可能な開発のための教育ESDにおける諸概念
◆相互依存性
◆市民性
◆多様性
◆持続可能な開発
◆社会的公正social justice
◆価値観と認識
◆人権
(英国開発教育協会DEA 2000)

 

「コンセプト」が明確であるか否か、それらのコンセプトは国際的な合意と一致しているかが、ERICの提案するESD、国際理解教育のポイントです。

 

 

第二期の学び 人間関係のスキルをベースにした国際理解教育

ERICの学びの第二期に翻訳したのは『いっしょに学ぼう』です。『開発のための教育』の著者でもあるスーザン・ファウンテン氏が、国際理解教育の基本は幼少期から育てることが必要であるという考えからまとめたものです。この本は、自己理解、コミュニケーション、協力という三本柱で構成されています。スキルをこのような3本の柱にまとめるのは、このテキストだけではありません。オーストラリアの人間関係トレーニングのワークシート集『わたし、あなた、そしてみんな』も同様です。
エンパワメント教育においては、「Power Within」「Power With」「Power To」という3本で表現しています。自分自身の内なる力、他者との力、そして何かに働きかけ、行動する力です。
21世紀に入って、スキルを技術の側面だけで捉えるのではなく、「意欲」と「知識」との複合体と捉える「コンピテンシー」=知って、行動する意欲とスキルを持っていること=として捉えるようになりました。コンピテンシーの柱もOECDのまとめによると「社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力」「多様な社会グループにおける人間関係形成能力」「自律的に行動する能力」の3本です。
社会性、関係性、自律性
の三本の柱は、ほぼ普遍であると言えるでしょう。

当然、時が経つにつれ、教育学での研究もすすみ、精緻化し、専門分化していくこともあるでしょう。しかし、基本を体得し、自らが実践の中で柔軟に応用していくことが、流行を追ったり、学者の研究の後追いをあたふたと続けるよりも、力になると思います。
スキル、コンピテンシーと言ってもいいですが、を身につけるには、現在の学校教育カリキュラムにおいて「技能教科」と位置付けられている国語や算数のように「できるようになるまで」指導することがポイントになります。「知識中心」の教科のように一度伝授したらそれで試験をして終わり、ということにはならないのです。
中等教育段階の学習者を対象にした『対立から学ぼう』では、生徒に「ジャーナル」をつけさせ、彼らの日々の体験の中から事例を洗い出し、解決に取り組むように、カリキュラムの中に取り入れています。
さらには各教科の中でも指導することができるとして、「各教科の中へのとけこませ方」を解説しています。
また、「平和を実現する教室」として「協力、コミュニケーション、感性に訴える教育、多様性の尊重、対立の解決」を挙げており、対立の扱い方のスキルの先にあるビジョンを明確にしています。

 

自尊感情や一人ひとりの生徒が自分自身を大切に思い、違いを尊重し、共によりよい学校環境を築こうという意欲を育てるためには、学校全体が同じ価値観を共有していることが大切です。スキル指導における「学校全体アプローチ」の重要性です。ESDも、担当教員だけの課題としていては成果が上がりません。どのようにして、学校全体で取り組んでいくけるように働きかけるかも、重要な課題なのです。
ERICの主催研修「ESDファシリテーターズ・カレッジ」後期スキル編では、これらのスキル指導の年間カリキュラム化だけではなく、次の五つの手だてを組み合わせた実践によって、「習熟」をめざす行動計画を作成します。
スキル指導の五つの手だて
◆ジャーナルをつける[日記、記録]
◆短いアクティビティを、始まりの時間や終わりの時間、ホームルームなどに取り入れる
◆スキル指導のプログラムを学習時間を割り当てて実施する
◆学校全体の環境や風土を整える
◆個への働きかけを行う、特別なニーズのある生徒に応える

 

 

第三期の学び 社会参加からアドボカシー

ERICの活動の歴史は、2018年にまとめましたこちらのブログからも見ていただくことが可能です。 また、「過去プロジェクト」のタイトルだけをまとめたのがこちらです。
「過去プロジェクト」のタイトル  はこちらから

 

 

2004から2009年のERICの鍵となる方針
1)持続可能性のための指導者育成を
充実、拡大する。
2)指導者育成のための制度や方法論
についての社会的提言を行う。
3)持続可能性のために、紛争解決、
和解などの平和的問題解決の方法を探る。

 

 

 

グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために
ERICが1990年から2005年に開催した全14回のグローバル・セミナーをブログにて紹介しています。グローバル・セミナーに関する記事や、14回分のすべての当日プログラム、配布資料などがまとめられています。 セミナーの内容の多くが出版物に活かされています。また、レッスンバンクもご参照ください。(ホームページの移転に伴って、「Not Found」の表示が出る場合は、作業途上です。お問い合わせください。)
ブログはこちらです。

 

14回の開催日時とタイトル

第1回
第4回
第7回
第8回
地球のみかた(1996.6/29-30)[LB 0-4]
第11回
第14回
ERICのプロジェクト

 

 

ERIC前史

1989年の設立以前、オーストラリアの教材情報センター「アイデア・センター」に着想を得て、前事務局長の吉田新一郎氏が「アイデア・ハウス」という活動を展開。80年代の貴重な資料です。原本については、お問い合わせください。

 

世界の中の横浜、横浜の中の世界 1984年
ERICの設立に大きな影響を与えた国際政治学者チャドウィック・アルジャー氏が始めた「Colombus in the World, the World in Colombus」というコロンバス大学でのプロジェクトを、日本でもやってみたプロジェクトの記録です。

 

ちびっと no.1-9 号 1984-89年発行
新聞紙大の国際理解についての情報紙。

 

One World Workshop 1986年
第一回 ワンワールドワークショップの記録。ワンワールドフェスティバルやワンワールドウィークなどのアイデアの元がここにありました。

 

研修ツアー、セミナー、ワークショップ実績記録など
ERICは、グローバル・セミナーを通しての研修・出版活動に合わせて、様々なスタディツアー、ワークショップを開催してきました。ここにあげたのは、PDFの記録が残されているものの一部です。※LBレッスンバンクの全リストは こちら。LBはPDFで提供可能です。お問い合わせください。
2000年以降は多くはレッスンバンク(LB)に収録されています。それ以前、LB番号の表示のないものについてはお問い合わせください。
ここに挙げられた以外にも430本ほどのレッスンバンクに、アクティビティ、プログラムのアイデアおよび実践記録が収録されています。
出版物については「テキスト一覧」をご参照ください。
概観すれば、初期の「海外」との交流実践の多さが際立っていますね。

 

オーストラリア研修 1990年・1992年
オーストラリアの開発教育・環境教育の現場を訪ねた研修ツアーの記録

 

90_地球時代の教育セミナー 1990年
グローバル・セミナーの前身。各地域セミナーとの組み合わせで、海外ゲストを招いての学びの場。

 

94_環境教育シンポジウム「持続可能な地域と地球を我らに」 1994年
プレの子どもシンポジウムも含めた記録

 

94-96_カンボジア教育ボランティア派遣プロジェクト 1994年-1996年*
95_環境教育 PLT 米国ツアー 1995年
95_環境教育シンポジウム’95
東京、千葉、各会場で行われたシンポジウムの記録

 

95_地球っ子クラブ指導ボランティア養成講座 1995年
96_カリフォルニア大学フォレストキャンプ 1996年
Forestry Institute for Teachersへの参加記録

 

96_ヨーロッパ研修旅行報告 1996年
97_CSD5から国連特別総会(地球サミットⅡ)へ
地球サミット参加に向けた事前学習会の記録

 

97_ERICイギリス研修ツアー 1997年
97_TOKYO地球市民フェスタ’97
97_アースデイ・フェスティバル1997inこどもの国
97_オーストラリア研修~持続可能な世界のための教育 1997年
97_グローバル教育ワークショップin横浜~対立から学ぶ
98_環境アドボカシー研修会
99_GS’99
GS’99国際理解教育実践事例(18事例) (LB2-8)

 

99_コミュニティ・ビジョン in 安塚
地域環境総合計画策定に関わる市民、職員、関係者が、ともに学び地域の課題とビジョンを共有する2日間10時間の研修。(LB15-21)

 

00_恵泉女学園 国際関係論
国際関係論「データ・推論・反証」資料 10の視点 (LB3-10)、2000年度から2004年度の記録。(LB15-28,29,30,31,32)

 

00_足立区 住民参加による公園の活用推進プロジェクト
水と緑の公社からの委託事業で、住民参加で講演活用を推進するワークショップ及び実践活動(LB-6-9)

 

00_「かながわ環境白書」を考えるパートナーシップ会議
環境白書のあり方や改善提案を行政と市民が話し合った活動に参加、その記録作成(LB7-10)

 

00_ERIC受託研修概観
受託研修のプログラムをまとめました。(LB7-3)

 

00_竹台高校「国際理解教育」
高校2年生を対象に「国際理解」の授業を実践(LB4-6、LB5-9、LB6-7)

 

01_竹台高校「国際理解教育」+特別授業「9.11を受けて」
高校生と米国攻撃事件を考えるに当ってベースになる知識を参加型でどのように提供できるかを試みた記録(LB9-1,2,3,4)

 

01_大田区人権啓発講座
大田区の区民を対象とした連続人権講座プログラム。と場見学を含め10回の実践。(LB9-8)

 

01_ERIC受託研修概観
受託研修のプログラムをまとめました。(LB10-20)

 

02_グローバル・セミナー2002 「民主的スキル150」
生涯学習社会に向けて、「民主的スキル」とは何かを考える(LB11-8)

 

02_栄光ゼミナール受託 「総合的な学習の教え方・学び方」
総合的な学習の全体像やめざすもの、授業に役立つ気づきのアクティビティから推進の枠組まで(LB11-13,14)

 

02_竹台高校の実践
02年度1学期は、普段、無意識に使っている言葉の見直しから理想の国づくり(LB11-15)

 

02_国際交流館パネルトーク
「アジアの祝祭」「世界の家族」のテーマで留学生をリソースパーソンに行った参加型パネルトーク連続6回(LB12-34) 2003年の実践記録(LB13-23,24、LB14-36,37,c38,39)

 

03_人権アクトinとちぎ
03_環境教育セミナー in 霞ヶ浦
2003年8月に行われた霞ヶ浦研究会主催によるセミナー(LB14-41)

 

05_甚目寺町まちづくり町民会議
循環型社会を目指し、地域のごみ削減のために開催した「まちづくり町民会議」。ワークショップや自主勉強会、住民調査などを実施し、行動計画・提言づくりをした1年間の受託事業(LB16-32)

 

06_PLT翻訳プロジェクト
2008年以降は、ホームページ「新着テキスト」「What’s New」にアップ。

 

ERICファシリテーター派遣研修
ERICからファシリテーターを派遣して、様々な研修を行ってきました。参考までにテーマ一覧をまとめてみました。
ERIC研修テーマ一覧 PDFダウンロード

 

ERIC主催研修
2000年からERIC主催で、「ESDファシリテーターズ・カレッジ」という、教育的指導者育成の二年間コースを目指した研修を行なっています。年間、6本、テーマ型3本、スキル型3本で構成されています。記録はレッスンバンクに収録。ブログ「ESDファシリテーターズ学び舎for BQOE」にも関連情報があります。

 

ERIC NEWS LETTER & ERIC通信 バックナンバー
ERICが設立時1990年から2005年にかけて発行したニュースレターのバックナンバーが閲覧できるブログです。2018年作成。
海外テキストの翻訳・出版、紹介していた草創期からERICオリジナルのテキスト開発への移行。その後のESDファシリテーターカレッジの開催、未来に向けてのメッセージの発信など、現在の活動に至る経緯まで俯瞰できます。
2006年以降は、現在発行している「ERIC Newsメールマガジン」をご参照ください。

 

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